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麗しきSF世界
その世界の人間の年齢はマイル(距離の単位)で現されている。なぜか? 彼らが住む都市は、常にあるポイントを目指して移動しないといけない。それはなぜか? 彼らの世界では太陽や大地を始め、色んなものが歪んで見える。いったいどうしてだろう? 逆転世界は、上記の謎を5部構成で解き明かしていくSFサスペンスとでも言うべき作品です。一見突飛な設定ですが、徐々にその必然性が明らかにされていきます。レールを敷いて、巨大な都市を移動させる人々、そこには奇妙な秩序があって、整然と作業が行われていきます。この光景を想像して、ワクワクできれば、約420Pが一気に読めてしまいます。 僕はSFは好きですが、サスペンスなどのジャンルに比べると、かなり読書量が少なく、すぐに思い出せるのは、フィリップ・K・ディックや以前に紹介したハイペリオン、渚にて、紹介はしてませんがシーフォートシリーズや「次の岩に続く」といった作品、後は椎名誠作品や日本のライトなSFぐらいです。そういった作品と比べても、本書は確実に読みやすい作品です。5部構成で短く区切られているからかも知れませんが、SF的設定以上に人間ドラマを大事にしているからではないでしょうか。ラストの寂寥感はSF世界独特のもので深く印象に残りました。 もちろん、軽いミステリー専門の方にはお薦めしにくい部分もありますが、ゆったりとSFの魅力を楽しむのにぴったりの一冊だと思いました。 この作品は、atomさん(テレビゲームあれこれ日記)に頂きました。本当にありがとうございました。 <逆転世界>AMAZON 読書ノート評価:67点 短評:アイデアの核はSFですが、それ以外は合理的な説明があるのでスッキリしました。主人公がちょっと可哀想な気が……。
by kyura130
| 2007-02-03 19:13
| 小説/読物
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